足し算医療でこうなった⁈両手いっぱいの薬
大きな手提げ袋を2つ持ってかえる。
中味は大量の薬…
それは1ヶ月分
それが自分の命をつないでいるのか?
払うお金も諭吉さんが何人も…
こんな人は特別かもしれませんが、それでも大量の薬を持ち帰る患者さんは多くいます。
なぜこんなに薬を飲むようになったのか?
かぜをひいて薬をもらった時種類の多さに驚いたことはありませんか?
医療用の薬は一種類の効果しかありません。
複数の症状があればその症状の数だけ薬が出ます。
また薬の副作用予防のために追加される薬もありますからさらに増えてしまいます。
患者さんが何かを訴えればその数だけ薬は増えていきます。
表に見えている症状だけをとらえて、その症状を抑えようとするので結果的に薬の数は増え続けていきます。
一度増えた薬は簡単に減らそうとしてもらえないのが現状です。
そのためにますます薬の種類は増え続けます。
病気の背景にある原因は無視?
お医者さんにかかって生活習慣や食事の内容をじっくり聞かれたことはありますか?
検診で聞かれるような、
お酒は飲みますか?
煙草は吸いますか?
外食は多いですか?
食事時間の時間は決まってますか?
こんな大雑把な質問では症状の陰に隠されている原因を突き止めることはできません。
眠れない患者さんの生活習慣でコーヒーをたくさん飲んでいる場合、
コーヒーでなくても紅茶や緑茶、ウーロン茶などカフェインを含む飲み物を飲んでいれば睡眠障害が起こっても仕方ありません。
眠る時間も関係してくるでしょう…
また、気分が落ち込んで何をする気にもなれない時、まず考えるのは食事の内容です。
血糖値の波がまるでうつ病のように見えることがあります。
頭痛が頻繁に起こる患者さんには貧血が隠れていることもあります。
これらの可能性を見過ごさないために患者さんの生活習慣や食生活、できれば性格まで聞き取る必要があります。
3分診療の中でこれだけを聞き取るのにはあまりにも短すぎるとは思います。
この時間内で出来ることは症状に合った薬を出すことくらいなものです。
病気になったらまずは自分の生活を思い返してみましょう…
風邪をひいたとき…どう思いますか?
寝不足
過労
誰かにうつされた、などいろんな理由はあるでしょう。
風邪をひく前に何か前兆は感じませんでしたか?
私の場合は食欲が異様に増します。
何となくわかります。
その時に食べ過ぎないようにしたり、早く休んだりするとそのまま風邪をひかずに良くなります。
こんな風に体の声に耳を傾け生活を改善することで予防することはできます。
風邪だけでなく他の症状も同じです。
眠れない理由も毎日の行動の中に原因が隠れています。
病院にかかって重大な病気がないか調べてもらうことも大切です。
両手いっぱいの薬を処方される前に、生活習慣と食生活を考えてみてください。
きっと症状の原因は見つかるはずです。
栄養外来では生活習慣、食生活など患者さんからじっくりとお話を伺い症状の原因がどこにあるのかを探るカウンセリングを行っています。
なぜ病気が治らないのか?
病気とも診断されないこの調子の悪さはなに?
我慢や忍耐力がないわけではありません。
病気とは診断されなくてもからだにはしっかり異常があります。
それを心の病と勘違いしてしまうことも多いです。
そんな原因を見つけてみませんか?