梅雨を乗り切る漢方ー五苓散ー暮らしに根付いた漢方を使ってみよう!
梅雨らしく雨が続いています
低気圧のせいで体調不良を起こしやすくなってきました。
こんな梅雨の季節を乗り切れる漢方薬の紹介をしたいと思います。
気圧の変化に伴う症状の軽減には「五苓散」が役に立ちます。
- 雨が降る前に頭痛がする
- 気圧が変化すると頭が痛くなる
- 頭痛に対処するため、天気予報のチェックは欠かさない
- 季節の変わり目に頭痛が出やすい
- 台風が来ると頭痛がする
- 梅雨時期は頭痛が長引きがち
キアガードのHPより
頭痛いん特化したように記載されていますが、五苓散の構成生薬ですから
頭痛以外の症状にも効果はあります。
【五苓散の効能効果】
のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症:
水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹注)のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔
五苓散は5つの生薬から成り立っています。
【タクシャ】 余分な水分を除いて炎症を鎮める
【ソウジュツまたはビャクジュツ】 胃腸の調子を整え水分調節をする
【チョレイ】 余分な水分を取り除いて炎症を鎮める
【ブクリョウ】 水分代謝を促し、胃腸の働きをよくして精神を安定させる
【ケイヒ】 精神安定(不眠、めまい)や発汗により関節・筋肉の痛みを
緩和するしてお腹の痛み(体を温める作用)を軽減する
これらの作用から考えると、梅雨の体調不良には効果がありそうな漢方と言えます。
五苓散は市販薬で手に入りやすくなりました。
漢方薬のコーナーではツムラやクラシエがあります。
目を引くものとしてロート製薬や小林製薬からも
別の名前で販売されているものがあります。
どれを選べばいいのか迷うところなので
比較してみました!
ツムラ | クラシエ | テイラック | キアガード | |
タクシャ | 3.3g | 2.5g | 5g | 4g |
ソウジュツ | 1.98g | 3g | ||
ビャクジュツ | 1.5g | 3g | ||
チョレイ | 1.98g | 1.5g | 3g | 3g |
ブクリョウ | 1.98g | 1.5g | 3g | 3g |
ケイヒ | 1.32g | 1.0g | 2g | 1.5g |

キアガードについては処方箋でもらえるお薬の分量と全く同じです。
ツムラもクラシエも生薬量は少ないですね
しかしながらツムラは5日分、クラシエは4日分、その他2日分となっています
お値段もそれぞれ店舗により違いますが成分量だけを比較するとどれも同じ
くらいの価格になるようです。
ここで気になるのはメーカーによってソウジュツとビャクジュツのどちらかが含まれるということです。
ソウジュツとビャクジュツの違いとはなんでしょうか?
どちらの生薬も水分量を調整して胃腸の働きを助ける働きがあります。
ソウジュツの方が痛みにも効果があり、
胃腸の働きを助ける効果はビャクジュツの方が優れているようです。
低気圧による頭痛や関節痛がきついようであればソウジュツを使っている五苓散
があっているかもしれません。
医療用医薬品でもメーカーによっては使っている生薬も違いますし、
生薬量も変わってきます。
医療用でも市販薬と同じようにツムラはソウジュツ、クラシエはビャクジュツを使っています。
一般的に市販薬の漢方は医療用に比べて生薬の含有量は少ないです。
薄めのお薬といったらわかりやすいでしょうか?
医療用と同じくらいの効果を求めるのであれば1.5倍くらい飲まなければならないかもしれません。
が、薬剤師としては決められた用法用量以外を患者さんに勧めるわけには
いかないので、Dr.に処方していただくのが一番安心で、効果も得られ、
お安くつくと思います。
余談ですが
ソウジュツやビャクジュツの朮という生薬は京都の八坂神社のおけら参りに使われるあの縄です。
大晦日に、心身を清めた権宮司が松材の火きり臼と檜材の火きり杵とをこす
りあわせておこした神火でもって、元旦の寅の刻(午前4時)になると、ヤ
ナギで作った削掛が白朮とともに焚かれます。
古来白朮には邪気を払う霊力があると信じられてきました。
初詣の人々は白朮が焚かれた煙を吸うことにより一年の無病息災を祈り、またその火を縄に移して持ち帰り、元旦の雑煮を炊く火種にして一家の無事を祈願します。
また、お正月には欠かせないお屠蘇も、本来は、宮中で、邪気を追い払う効
果を持つ薬物を処方した屠蘇散(屠蘇延命散)を四方拝の儀式のあとにお神
酒に浸けて飲み、疫病を除くために祈願したのが始まりとされています。
屠蘇散に白朮が配合されていることは言うまでもありません。
朮の成分には抗菌活性や殺虫活性があるものが多く含まれてます。
昔の日本人はこれを経験的に知っており、朮はしばしば虫除けや御蔵の消毒等に使用されてきました。
刻んだ朮を金属の皿などの上で加熱し、発生する成分を含んだ煙で蔵の壁や収蔵物を燻して消毒し、また虫除けにも利用したようです。
漢方は暮らしと密接に繋がっていて興味深いものがあります。
医療用の五苓散の中ではJPSが私のお気に入りです。
細粒で飲みやすく(歯の隙間などに残らない)生薬量もツムラやクラシエより
多く入っています。
こちらは市販薬もありますが、限られた薬局でしか取り扱いがないのが
難点です。
漢方は自分自身で選択するのは難しいお薬です。
漢方を専門にしている薬剤師に相談して使うことをお勧めします。
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